朝会社に来て自席に座ると
何やら少し嫌な気配を感じた渡良瀬さん。
渡良瀬さんの直感が働く。
今この瞬間ではないものの何かが来る。
どうも呪いのようなもの。
なんとなく今夜あたりが怪しい。
お昼休みはランチを抜くことにして
会社の近くにあるわりと大きめの神社にお参りすることに。
厄除のご祈願を申し込むと空いていたのかすぐ呼ばれた。
ご祈願中にふと声をかけられる。
「これは相手にそのまま返しておけばよいのかな?」
ふと気づくと正面に半透明の姿で高貴な方のお姿が。
右手に何か捕まえておられる。
うっすらと見えるのは黒い霧のような何やら邪もの。
ただその邪なものも流石に高貴な方には逆らえないようで。
周囲に聞こえないくらいの小声で
「よろしくお願いします」
と口にして座ったままお辞儀すると同時に鈴の音がなり、
お姿が消えた。
ご祈願が終わって会社に戻るとちょうどお昼休みも終わり、
席につくと嫌な気配が消えていた。
深呼吸を一つ。
ふと山場は超えたような気がした渡良瀬さんであった。
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