第43話 値上げ

(画像はイメージです。)

さて担当者となった渡良瀬さんのもとに次の話がきた。

取引先から突きつけられた値上げの話だ。

昨今の物価高を受けて値上げであればわかるが、

なんというかそういうのとは違うくて、無茶振りに近い値段交渉。


ただ、これも実は渡良瀬さんの想定通りで社内は調整済み。

ここまでなら受けられるという額面は決まっていて、

それを超えるならお断りの方向で社内は腹を括っている。

そもそも渡良瀬さんにしか対応できない取引先という時点で

ビジネス的にもお荷物と認識されつつあるようになってきており、

そういう意味でも「調整済み」なのだ。


なので、やり取りをしながら、徐々にそういう方向で話を進め、

進捗状況を上層部含めて適宜エスカレーションする渡良瀬さん。

結局、こちらの当初想定額面で取引継続となった。

結局、全然困ってない渡良瀬さんではあったが、

周りはその取引先に対してドン引きで

「あれは絶対に引き継ぎたくない」

と思われる様子であった。

風の吹く松竹梅

小説書いてます。 すべて架空の世界の出来事。

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