第42話 渡良瀬さんの対応

(画像はイメージです。渡良瀬さんはここまでイケメンな感じではないです。)

さて担当者になった渡良瀬さんのところに、

さっそく追加要望が来た。

渡良瀬さんにとっては予想通りの追加要望で、

一部を条件付きでのみ、それ以外はお断り。

そして、条件付きでのむが、

もともとそういう追加要望が来る前提で社内は動いていて、

予定通りに対応するだけという感じで社内が動けるように

渡良瀬さんは手配した。

次はこちらの成果物に細かい指摘が来た。

こちらも渡良瀬さんの読み通り。

そういう指摘が来るという想定で、

修正版を事前に用意済み。

さらりと修正版を先方にリリース。

次に金額面でいちゃもんがきた。

そちらのミスがあったでしょうという文脈。

これも渡良瀬さんの読み通り。

指摘には対応したが、

最初の成果物ももともと合意した内容通りというエビデンスを冷静に提示。

これで向こうも二の句を告げず。

こんなやりとりが4、5回続いたが、

渡良瀬さんからするとノーダメージ。

社内的にもノーダメージ。

全部読み通りの予定調和の流れ。

いつも通りの通常運用という雰囲気。

社内でも特にこの取引先に対して問題意識を持たれない感じになった。

ただ、渡良瀬さん以外に担当者が変わると大変、

という認識だけは社内の共通見解として持たれるに至った。


風の吹く松竹梅

小説書いてます。 すべて架空の世界の出来事。

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